家の話(主に北海道)

住宅業界に寄り添って20年、感じたことや知ったことを。ハウスメーカーから工務店まで、住みたい住まいを考えて。家の話をしましょう。

土屋ホーム 赤字決算

北海道住宅業界の雄、土屋ホームが2018年10月期決算で赤字を発表しました。
以前から下方修正を報道されていたので観測範囲内ではありましたがやはり残念な気持ちです。

もちろん単年度の赤字で業績がどうこうなるような会社ではありませんが、見えてくる数字の内容が一部、不安を感じさせます。

 

IR情報によりますと売上高が5億程度増なのに対して売上原価が10億程度増えています。
いくら数を売っても利益が上がらない構造です。
日経新聞の記事でも触れられていますが利益率の低い分譲住宅が増え、注文住宅が振るわなかった。また、決算直前の9月(決算前は何処の会社も駆け込み引き渡しを行います)に地震が発生し、思い通りの引き渡しが叶わなかったことが要因として考えられます。

 

現在土屋ホームでは規格型住宅の”リズナス”が一次取得層向けにヒット、同社の契約棟数を牽引する役割を担っていますが、ローコスト帯の同商品は、注文住宅商品に比べて利益率が低く、稼ぎを生み出しにくい収益構造となっているようです。

 

同社は一刻も早くこの構造を改善する必要があります。
1,リズナスの原価を引き下げるか。

2,スケールメリットが現れるまでリズナスを売りまくるか。

3,もしくは従来得意としていた注文住宅のリブランディングを急いで、より広い客層に売れるように施策を施すか。
何れにせよ今の住宅市場を俯瞰すると難しい道のりとなりそうです。
私としては1と3を同時進行で進めるのが善策だと考えますが、できるコストダウンはすでに行っていることでしょうし…

 

せっかくスキー部の小林陵侑選手が未来のレジェンド候補として頭角を表し始めたところ。
地元企業の星としてなんとか頑張ってもらいたいと強く願うところです。