家の話(主に北海道)

住宅業界に寄り添って20年、感じたことや知ったことを。ハウスメーカーから工務店まで、住みたい住まいを考えて。家の話をしましょう。

北海道で太陽光パネル

太陽光パネル。

いろんな言説が飛び交って何が正しいのやらよくわかりません。

特に新築ではなく、後乗せ太陽光パネルは批判的に捉えられることが多いですね。

言説の多くは

「元を取れない」

つまり高いお金をかけて太陽光パネルを設置しても節電や売電いくらしたって初期費用を賄うことは永遠に無いよ、ましてや北海道なんて半年間雪に埋もれるんだから無駄もいいところ!という説です。果たしてそうでしょうか。

 

現在、後乗せで太陽光パネルを設置する場合、4kwを架台、設置料込でおよそ150万円程度でしょうか。

 

これに対し、札幌市での4kw設備の年間発電量、少なく見積もって4000kwととし、

50%を自家消費(28円換算)50%を売電(33円)するとしましょう。

すると

2000kw×28円=56,000円+2000kw×33円=66,000円 年間122,000円

150万円÷1220000=12.29 

つまり12年以上稼働させ続け無いとペイしないことになります。それに、基本的にメーカーが機器を保証してくれるのはほとんどの場合10年。ここを境に聞き交換や有償修理なども出てきます。かなり厳しめの数字で算出してますが、売電価格は下がり続けていますし元は取れないという巷の噂は本当なのかもしれません。

 

 

新築の場合ちょこっと事情が違うみたい

一方新築の場合、つまり後付ではなく最初から太陽光パネル有りきで住宅が作られている場合は事情が異なります。

 

設置費用が大幅に違う

住宅会社の規模の大小にもよりますが、あらかじめ太陽光パネル付き住宅を商品として用意している場合、本体も変換器も架台も、場合によっては蓄電池も一定の数量を購入している場合がほとんどですので、後乗せよりも随分と安い価格で仕入れることができます。かつ、最初から太陽光パネルを設置するための設計がなされているのでこのあたりの効率性が大幅に異なります。

最初から太陽光が付いている住宅といえば一条工務店住友林業を抜いて木造住宅シェアNO1になりましたが、一条工務店の多くの家に太陽光パネルが搭載されています。

また先日の北海道ハウスメーカーランキング上位社でいきますとミサワホームがZEHに力を入れていたりロゴスホームのサブブランド、ハウジングカフェ全棟太陽光パネル標準搭載だったりします。

そしていずれの会社も(当然っちゃ当然ですが)太陽光パネルと本体とを分けた価格設定にしていないのでどれくらいの費用が太陽光パネルのために上乗せされているのかわかりませんが、基本的には大幅なコストアップとはならないように設計されているようです。

ちなみに一条工務店は道内だと1800万円程度で太陽光パネルつき住宅が、ミサワはZEH仕様だと2500万円くらい〜かな、ローコスト系ではロゴスホームのハウジングカフェにが1100万円程度で太陽光パネル付きの住宅が建てられるようです。

但し、省エネ効果が高いほうが太陽光パネルの経済的恩恵を受けやすのは間違いないので、(ハウジングカフェが悪いと言っているわけではありませんが)エネルギー収支を各メーカーに聞いていみるのが良いのかもしれません。

 

最初から乗ってるなら

後乗せに比べて経済効果は大幅にUPするのは間違いなさそうです。

少なくとも莫大なオプション費用がかかる場合を除いては、”ないよりある方がいいに決まってる”といって差し支えないでしょう。もちろん故障時のメーカー保証を確認するのをお忘れなく!

太陽光パネルについてはとても一エントリーで書ききれないので改めて言及したいと思います。
今日のところはこのへんで。